一般に日本人に人気のあるヨーロッパの国といえば、フランス、イタリア、そしてスイスですが、スペインの2つの都市、マドリッドとバルセロナから、パリ、ミラノそしてチューリヒを結んでいる夜行列車がエリプソスです。
スペインが誇る豪華ホテルトレインであるエリプソスの列車には、スペインを代表する4人の芸術家の名前が付けられています。巨匠「フランシスコ・デ・ゴヤ」号、シュルレアリストの旗手「サルバドール・ダリ」、同じくシュルレアリストでありながら抽象的な絵画で知られる「ホアン・ミロ」号、そしてチェロの近代的奏法を確立した「パブロ・カザルス」号。それぞれの名前がつけられた4つのルートが、スペイン、フランス、イタリア、そしてスイスの4つの国を結んでいます。
エリプソスの魅力は、どの路線にも連結されているグランクラスと言えるでしょう。部屋にシャワーとトイレ、洗面台までが備えられているだけではなく、80cm x 200cmのベッドなど従来の夜行列車とは一線を画する装備。さらに、朝食はもちろん本格的なフルコースディナーも料金に含まれていたりと、まさにホテル顔負けのサービスを受けられます。もちろん、ほかのクラスであっても、それぞれのグレードに応じてホテルトレインの名に相応しいサービスが受けられます。
スペインと他の3カ国では軌幅が異なるため、通常では国境駅で列車を乗り換えますが、エリプソスは自動的に軌道の幅を変換するシステムを導入しているので、睡眠を妨げられることもありません。列車内とは思えないほど快適なベッドで体を伸ばして横になり、街の中心から次の街の中心まで移動できるので、目が覚めたらそこが目的地なのです。
ドン・キホーテと風車がイメージされるスペインですが、780年以上に及んだイスラム教の影響と、レコンキスタ終結以後のキリスト教化、そしてその融合からなる独自の文化が織り成されています。「ピレネー山脈を越えたらもうそこはヨーロッパではない」ともいわれているスペイン。そんな不思議な魅力たっぷりの国へ、旅情あふれる夜行列車で訪れてみてはいかがでしょう。